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jellyfishのひとりごと

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 取り立てやお春 】


取り立てやお春1

頃は元禄。文化全盛。金が物言う浮世の世界。
見得と伊達とのだましあい。
忘れちゃならない人の触れ合い。情けと涙。
場所は品川遊郭、扇屋。
その扇屋に居残りの男がいた。その男の名前は弥七。
弥七は『頼まれれごとは、嫌とは言えない』という
口八丁手八丁の便利屋の手間賃で小遣いを稼いでいた。

そんな扇屋に取り立てやのお春姐さんがやってくる。
弥七が産まれた時から住んでいた長屋の店賃を
大家に頼まれて、取り立てに来たのだ。
その額は、大枚20両。
贔屓の歌舞伎役者の為に数日で
20両を取立てたいお春姐さんは
便利屋の上前をはねようと考える。

その弥七の便利屋には、次々と難題が持ち込まれる。
盗賊・真田小僧を追いかける目明しの寅蔵は、
些細な喧嘩の仲裁を。
去年までは板頭※だったが、今は売れない遊女・おそめは
自作自演の心中騒ぎのヒロインを演じたくて、
心中の相方を。

そんな扇屋に理由あり気な
旅姿の侍の親子がやってきて…。


※板頭…江戸の岡場所で、その娼家の最上位の遊女


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ネタバレあり…の私的辛口(?)感想です
 


取り立てやお春2

時代背景が元禄とくれば、
庶民を苦しめていた「生類憐みの令」と「忠臣蔵」でしょ
さらに「大岡裁き」のパロディ(?)やら
俳句、たぶん落語のもじりだなぁというセリフ
時代劇なのに、黒木瞳さんが歌う堺正章さんの「街の灯り」まで流れ
名前繋がりのみのオチで「水戸黄門」まで出て来て、
娯楽色満載です


幕が開いてまず思ったのは、出演者の人数が多い
歌舞伎なみに、江戸を行き交う人がたくさんいましたねぇ。
そして、カギとなる人物たちも多い。
それぞれの役柄が、わりと丁寧に描かれていました。
背景や結末がなんとなく分かる人物や、
いろんな難題を持ち込む人物
それをどうやってまとめるんだろうという不安を抱えたまま第一幕は幕。

でも、そこは流石にマキノノゾミさんです
いろいろな人物のパズルをキッチリ、はめ込んで…第二幕は幕
スッキリします 単純に楽しめる舞台でしょ。 

とにかく、全体のテンポが良い
チラシとはストーリーや設定がかなり違うのも、
不要な部分をそぎ落としたからなのかなぁ


黒木瞳さんが気風の良い取り立てやの姐さんを
コミカルに演じるのが、失礼ながら、想像出来なかった
んが……新境地開拓といった感じで、
テンポを崩さず、セリフではない、
細かい動きでも笑わしていました

でも、全体を通して立っていたのは、
石黒賢さん演じる弥七
長屋の店賃は踏み倒し、
居残りを繰り返しているわけだから、
なんともいい加減な男
なのにだ…どこか憎めない人柄で、機転がきくので
まわりの人たちに、頼られ、
そして、実のところ、義ももっている人物なんだよねぇ
お春姐さんと弥七の道行きも
なんとなく、艶っぽく、今後が気になるような

大石内蔵助を演じていたニッキもなかなか良かった
歴史上有名な人物ですが、王道の内蔵助ではなく、
女好きの放蕩親父キャラでした
暗い背景がありながら、今回の舞台の明るさとの
トーンをキッチリあわせているあたり、巧いと思いましたなぁ。

若くして死にいく運命にある息子への思いが
伝わってきて、思わず涙というような場面も
生きる楽しみを教え(
ただ『忠義=死』と熱くなる息子を諭すところが良かった
『生の愉しみと死の恐怖』を知っていてこそ
『忠義のため、人の命をとる』ことの本当の意味が分かる。
それでも、最期まで自分は悩むであろうというところは
歌舞伎でも、表現されていますねぇ。
今回の主税は歌舞伎の主税に比べ、
ぐ~んと、子供っぽかったからこそ
この放蕩具合が調度良いのかもねぇ
それにしても、一幕の中村隼人くんは走りっぱなしだったような
さすが16歳若いなぁ
二幕の隼人くんの方が、セリフの間も良かったように思うけど
本物の女性(笑)とあんなに艶っぽい場面を演って、
大丈夫かしらん…などという老婆心も。

波乃久里子姉様と渋谷天外さんのご夫婦も
しっかりものだけど情けの深い遊郭の女将と
人の好い旦那さんといった感じ
この遊郭は働き易そうでございますな。
それにしても久里子姉様の裾さばきの美しさにはうっとり

嘉島さんは、「チビ玉くん」だったのですねぇ
まぁ、大きくなってぇ
おちぶれた遊女・おそめと与太衛門の二役をこなしています
心中ものを早替わりで演ずるという歌舞伎風の遊びデスね
この二役以外にも義賊・真田小僧もそうだったと思うんだなぁ。
現在の板頭の美しい姿も、きっとそうだよねぇ。
そうすると、四役なのかなぁ。
(この辺はパンフを買ってないので間違っていたらごめんなさい
ファンの方々には板頭と義賊姿が楽しみなのかなぁ


そして、第二幕の後に書いてあった『フィナーレ』
もしやもしやの大階段……

は、なかったですけど

黒木瞳さんを中心に出演者全員が登場し、
華やかに、歌い踊ってのフィナーレでした
このキラキラした感じ…
『マツケンサンバ』のノリでした
それまでは堂々としていた石黒賢さんは、
ちょっと辛そうにも見えましたが、
黒木さんをはじめ、ニッキ、嘉島典俊さん…と笑顔笑顔。
中でも隼人くんは満面の笑顔
楽しいんだろうなぁ…でもね、萬屋さんですからね。
くれぐれも歌舞伎を忘れんで欲しいものです
ここでも、久里子姉様の扇の動きが美しかった

このフィナーレといい、舞台の内容といい
ぐぐっと観客層の高い明治座の観客の方々は
ホントーに楽しそうでございました。
親孝行に贈るチケットはこういう舞台が良いでしょうねぇ
もちろん、ワタシも楽しませていただきました



作・演出:マキノノゾミ

美術:中嶋正留 照明:服部 基 音楽:清水一雄
効果:内藤博司 殺陣:亀山ゆうみ 
ダンス振付:ラッキィ池田

出演: 黒木 瞳 石黒 賢 錦織一清
波乃久里子 渋谷天外 中村隼人 笠原 章
嘉島典俊 曽我廼家八十吉 永山たかし 木下政治 他


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テーマ:舞台の感想 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2010/11/22(月) 21:49:58
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