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jellyfishのひとりごと

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 二月花形歌舞伎 ル テアトル銀座 23年2月・第二部 】


2011・02ルテ銀・歌舞伎2

先日、第一部を拝見したルテ銀・歌舞伎。
千秋楽の第二部を拝見~

「女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」

近松門左衛門が享保六年(1721)に書いた世話物で、
同年五月に金に困った油屋の息子が同業の女房、
お吉を殺して処刑された事件を題材にした浄瑠璃です。
その後、明治になって歌舞伎として上演されました。

主人公の与兵衛は感情の赴くまま行動する青年で
表面は強がっていても根は気弱な性格。
すぐカッとなる与兵衛の人間像は彼の家庭環境、
複雑な事情から形成されており、
近松の人間観察の厳しさが表れています。

町でうわさの放蕩息子の河内屋与兵衛(染五郎)は、
借金を作り、自らの喧嘩の不始末により
伯父森右衛門が職を辞することとなりますが、
あいかわらずの放蕩三昧を続けています。

実は父・徳兵衛は主人亡きあとに婿に入った義理の父親で
甘やかして育てたのが災いしたのです。
ついに、与兵衛は家を追われ、
同業の油屋豊嶋屋のお吉(亀治郎)の元で、
父、母の自分へのやさしい思いを痛感し、
父に迷惑をかけたくないと思います。
しかし、お吉に更なる借金の無心を断られると、
ついにはお吉を殺してしまいます。
ここに自分本位で刹那的な感情のまま行動する
与兵衛の人間性が表れています。

油屋での殺しの場は凄惨でまさに油地獄のタイトルに相応しく、
人間の暗部、感情の深いところがまさしくむき出しになる場面です。

また、今回は「豊嶋屋逮夜の場」を上演します。
お吉を手にかけたあとの与兵衛が描かれる注目の舞台です。



今回の、平日の第2部は、
仕事帰りでも観劇できる
18時半に開幕の日もあるのですが、
金曜日のこの日も18時半始まりでした

「女殺油地獄」は学生の頃に、
学校の課外授業の文楽で拝見してから
強烈に頭に残っている狂言なのです



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私的辛口(?)感想です…
 

ルテ銀歌舞伎

この狂言は一昨年に現代劇で 『 ネジと紙幣 』として
上演されたのも拝見したのですよねぇ

河内屋与兵衛の殺人は、
とにかく、ただただ身勝手な金目当ての殺人
いつもは殺しの場面で終わるので、
その場面の印象を強く残したままなわけね
でも、今回の舞台は事件後の
与兵衛の様子なども追っているので
よりリアルな感じがしましたねぇ

江戸時代には初演であまり評判がとれずに
上演が絶えたというのだから、
作品が時代に合っていなかったのだろうなぁ

身勝手に…一方的な理由で
人を殺したり、犯罪を犯す若者が
話題になる現代の方が、
受けとめられやすいというのは
間違いないだろうと思いますな

そういう背景があったとしても
今になって注目されてるわけだから、
やっぱり、近松はすごいなぁと思うわぁ


染五郎丈の与兵衛を観るのは二回目
前回よりも、艶も、狂気も増して
ゾクッとしました

亀嬢のお吉はちょっとお節介で心優しい…
けど、少しだけ自信満々な感じの女将さんで
良いおんなだったわぁ

『子どもの為に!』と殺されまい。と、
もがく姿は子どもへの愛情に溢れていて
殺す側の与兵衛との対比が良かったなぁ。
与兵衛だって充分な愛情を受けていたのに
なんで、あぁもひねくれちゃったんだろうなぁ
やはり甘やかすだけじゃあ、
いけないって事なんでしょうねぇ



この狂言を観る度、
実は与兵衛はお吉に惚れていて、
お吉だけは受け入れてくれる
お小言は言われても、甘えさせてくれる
と思っていたのに、
心底改心したことを信じてもらえなかったところに
裏切られたと感じて殺意が芽生えたんだ…と
思ってたんだよね


でも、ちょっと今回は違うように見えたかなぁ。
殺人事件後の与兵衛の遊びっぷり。
捕らえられた与兵衛につかみかかろうとしたお吉の夫を
見た与兵衛の目
さらには、夫と与兵衛の間に入って
与兵衛を守ろうとしてくれた実兄への暴行
役人に連れられていく時に
振り返った時のなんとも言えない笑い顔
怖かった…


日々が楽しければ良い
そして何よりカッコいいのが大切。
他の人間がどうなろうと関係ない。

という現代のニュースに出てきそうな若者
に似て見えました。

そこには、愛情も大きな理由もなく
いわゆる…キレただけなんだよね。
『 せっかく改心しようと思ったのに
    信じてくれなくてマジむかついた 』
という言葉が聞こえてくるようだったなぁ



それから、ホントにこの狂言は演者が
ある程度若くないと体力的にキツいなぁと思ったなぁ。

灯りが消えて真っ暗闇の中、油がこぼれた床の上で
与兵衛は執拗に刺し殺そうとし、
お吉は幼い我が子の為に、死ねない!死にたくない!と、
必死に逃げ回り、抵抗する。
ぶつかり、もがきながら
美しく見せねばならないのだもの…大変ですわぁ


そして、今回の舞台を見て沁みたのは、
殺し場の前の「河内屋」の場。
与兵衛の継父・徳兵衛と実母・おさわが、
放蕩三昧の与兵衛を叱るのだけど、
そこにある老夫婦の苦悩が、
抑えた演技から垣間見えた気がしたのよねぇ
恩ある人に似てくる義理の息子を
育てる継父の難しさ、もどかしさ
その夫と息子に挟まれて悩む…
実母の息子への愛しさ、哀しさ
お互いがお互いに気を遣い、その結果、わがままな息子に
育ててしまった老夫婦の切なさ。 

どんな風になろうとも捨て置けない思い
このままで良いハズはない…という心の葛藤が
伝わりました
この辺の感情は今まであんまり気付かなかったなぁ
後日の話があったから尚更、思ったのかしらん
それとも、ワタシも歳を重ねて
いろんな事を思うからかネェ


それにしても…今、打ちながら気付いたこと
継母や後妻はスグに変換されるのに、
逆は変換されないのねぇ


女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
                   
 河内屋与兵衛  市川 染五郎
     お吉  市川 亀治郎
   芸者小菊  市川 高麗蔵
   小栗八弥  坂東 亀三郎
  兄 太兵衛  中村 亀 鶴
  妹 おかち  澤村 宗之助
叔父 森右衛門  松本 錦 
豊嶋屋七左衛門  市川 門之助
  父 徳兵衛  坂東 彦三郎
  母 おさわ  片岡 秀太郎



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テーマ:舞台の感想 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2011/02/27(日) 18:48:29
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