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jellyfishのひとりごと

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 国民の映画 】


2011.03.31国民の映画

2011年、生誕50周年を迎える三谷幸喜。
この記念すべき1年を「三谷幸喜大感謝祭」と銘打ち、
これまでお世話になったすべての人々へ「感謝」を込めて、
4本の新作舞台を書き下ろします。
その中の1本が「国民の映画」です。
「国民の映画」は4本の新作の中で唯一
三谷幸喜自身の企画でもあります。

出演者には
三谷作品初出演の段田安則、小林勝也、風間杜夫をはじめ、
ミュージカル界で活躍のシルビア・グラブ、新妻聖子、
そして三谷作品には欠かせない俳優陣である
小日向文世、石田ゆり子、小林隆、
そして、2003年の「オケピ!」ぶりの登板となる白井晃、
「恐れを知らぬ川上音二郎一座」で
初めて三谷作品の舞台に立った今井朋彦、
そして平岳大、吉田羊とフレッシュな顔ぶれが揃いました。
豪華出演陣でお届けする「国民の映画」にどうぞご期待ください!!

HPより抜粋


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私的…感想です


舞台は1940年代のドイツ、ベルリン。
ヒトラー内閣がプロパガンダのために作った
宣伝省の初代大臣ヨゼフ・ゲッベルス(小日向文世)には、
すべての芸術とメディアを監視検閲する権利が与えられていた。

ある日ゲッベルスは映画関係者たちを呼んで
ホームパーティーを開いた。
そこには、ナチスと結託して作品を量産する
映画監督エミール・ヤニングス(風間杜夫)、
国民の人気を武器に毅然とナチスに立ち向かう
有名劇作家エーリヒ・ケストナー(今井朋彦)などの姿が。

ゲッベルスは映画人たちの前で、
彼らを招いた本当の理由を発表した。
彼は最高のスタッフとキャストを使い、
全ドイツ国民が誇れる映画
『国民の映画』を作ろうと考えていたのだ。

しかし、そこには国の政策とはいえ映画に熱中する
ゲッベルスを苦々しく思っている親衛隊の指導者
ハインリヒ・ヒムラー(段田安則)、
芸術に造詣が深く、映画人からも一目置かれているが、
傍若無人で品性下劣な
空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング(白井晃)の存在が。

彼らが一堂に会し、
虚飾と陰謀に満ちた狂乱の一夜が始まろうとしていた。

HPより抜粋


最初に思ったのは、
三谷幸喜氏が今なぜ舞台化したのかということ
流石に、このような時期の上演になるとは
思ってもみなかっただろうけど…
それにしても…感想を書きにくいお芝居なんだよなぁ

劇中で、ゲッベルス、ヒムラー、ゲーリングに
「あのお方」と呼ばれ、強い影を感ずるのに
最後まで一度も名前が出ることが無い
(こういうところ、脚本巧いなぁと思う
ヒトラーの…ナチスを題材にした話だからかしらん。
それとも、ラストシーンが
あまりに『しん』としているからかしらん

ファーストシーンと同じように、
からからと音をたてる映写機
猫背で座るゲッべルスと横にスッと立ったフリッツ。
映写機の光で浮かび上がる、2人の姿の印象は
ファーストシーンとラストシーンでは
まったく異なって見える

ラストでは、登場人物たちの<その後>を
フリッツが、まるでナレーションのように語っていくんだけど
その淡々とした口調がこころを『しん』とさせるのよねぇ
やっぱり、これが感想を出難くしてる気がする。

自分自身の最期、そして最後には、
ゲッベルス一家の最期を語って
「以上でございます」と締めくくる…と、すっと暗転。

ず~~んと、外から内へ沁みこんでいく『しん』という感情。

巧く言葉を扱えなくするのよねぇ。
(日頃から、あんまり巧くないけどね


とにかく、旨いキャスティングで、
castがすべて素晴らしかったのは間違いないデス

その中でも、
【相棒】で悪魔を崇拝する殺人鬼役を演じた時のような恐い役
…ゲッベルスを演じる小日向さんと、
仕事に真面目で、淡々としているけれど
その心の内を明かさない…というような執事のフリッツ。
こういうお役ピッタリなんだよなぁ
と思った小林隆さんが心に残ったかなぁ

戦意高揚のために【風と共に去りぬ】を超える
娯楽映画を作ろうと考えるゲッベルスは、
芸術への造詣が深いということになっているのだけど
彼が語る芸術論は、どこぞの誰かの言葉の受け売り。
と、なると、映画について語るゲッベルスの言葉の中に
フリッツからの影響が大きくあったのではないか…と。
さらには、ヒトラーにはそれ以上に大きな影響を受けているハズで
宣伝大臣ともてはやされていたゲッベルスを
操っていたのも、また、ヒトラーだったのだろうなぁ

ゲッベルスのこのような言動は
<極端に小柄な体型>と、
足を引き摺る<障害をもっている>という身体的なコンプレックスと
<博士号をもっている><頭が良い>というプライドの高さの
アンバランスによるものなのかもしれませんね


登場する映画人たちも個性的で面白い
ゲッベルスが招いているわけだから、
体制に迎合している映画人だということになるんだろうなぁ。

その中では、こういう役を演じるとひときわ光る
映画監督エミール・ヤニングス役の風間杜夫さんが良かった。
映画を撮るため、演者でいるためには、
ゲッベルスにへつらうけれど、
どうしても譲れない、一本、筋は通っている映画
を、好演していましたわぁ。

さらに今井さん演ずるケストナーには
作家の業を感じましたねぇ
もしや、三谷幸喜自身の業でもあるのかな?
ケストナーはゲッベルスが作る映画の本を書くことを
承諾した理由を二つ語るんだけど、
ひとつめにあげた「血」の理由よりも
『ただ、作家は書きたい。作品を発表したいのだ。』
という理由が強かった気がしてならないのよねぇ


ほかにも登場する人物はそれぞれが個性的で、
ユーモアさと可愛らしさと…そして恐さを
もっているわけだけど、
その中では、政治的な主張をもたず、
民衆の代表のようにみえるマグダ。
でも、彼女の最後のセリフにこそ
民衆の恐さが集約されていた気がする。

ゲッベルスの妻である彼女は
暗い最期を迎えるであろうフリッツに
「力になれなくてごめんなさい」と手を握って優しい言葉をかける。
そのすぐ後、「先に寝みます」と言って、
寝室に向かう途中で
『フリッツは残念だわ。ユダヤ人のわりには、感じが悪くなかったのに』
(というような内容だった)
と、さらっと言うのだよ。

優しい言葉も最後の言葉も本当なんだよなぁ
今、震災、原発、政治、を見ている
自分自身の言動も振り返らねばいけんなぁ


これだけ、重い内容なのに、面白くて、
喜劇としても成り立っている場面がある
【国民の映画】は素晴らしい作品だと思います

でも、何よりも重いのは描いていることが、
たかだか7~80年くらい前にあった現実の話だということ。
虐殺されたユダヤ人は600万人とも言われていますが
その数字の真偽が定かでなかったとしても
数百人が処理…されたという哀しい事実に
目を背けてはいけない…と。

未曾有の災害が起こった時期に
この作品に出会ったことにも意味があるような気がします。


そういえば…この日は勘太郎丈がさりげなく
観客席にいましたわぁ
ご長男誕生のお祝い≫に駆け付けてくれた三谷さんは
この舞台の稽古中だったものねぇ

そして、シルビア・グラブさんと新妻聖子さんが出ているのに、
ミュージカルじゃないのよねぇと、思っていたら、
おまけがありました


な~んて、

ちょっと、明るく終わりに致しましょう

作・演出 三谷幸喜
出演 小日向文世 段田安則 白井晃 石田ゆり子
シルビア・グラブ 新妻聖子 今井朋彦 小林隆
平岳大 吉田羊 小林勝也 風間杜夫
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テーマ:舞台の感想 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2011/04/09(土) 19:42:20
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