Jellyfishの散財して…ぐだぐだ。

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台【 芭蕉通夜舟 】





■作   井上ひさし

■演出  鵜山仁

■出演
坂東三津五郎
坂東八大 櫻井章喜 林田一高 坂東三久太郎

■ストーリー
そのものの時めいていた過去と、
もう滅ぶしかない未来とを同時に匂わせるのです。
しかもそれをたったの十七文字でやってのけようとして、
わたしたちは骨身を削るのです。

芭蕉を

「『人はひとりで生き、
  ひとりで死んでゆくよりほかに道はない』
                  ことを究めるために苦吟した詩人」と、

井上ひさしは考えて書き下ろした、
芭蕉一門主流の歌仙三十六句にちなんで綴る
全三十六景の一代記です。

俳聖・松尾芭蕉役に、歌舞伎に止まらず、
意欲的に現代演劇に取り組んでいる坂東三津五郎を迎え、
鵜山仁が卓抜な演出の腕をふるいます。

ほぼ一人芝居『芭蕉通夜舟』いよいよ、こまつ座初登場!!

HPより抜粋


こちらも8月下旬に拝見した舞台です。
うろ覚えゆえ、間違いはご容赦を


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私的感想です…




「芭蕉は一生、一人になろうとしていた」として、
芭蕉の人生を、その言葉のままに「独りでいる場面」を
三十六景を並べて構成したという舞台

舞台を拝見する前に
たまたまサイトで見つけた上演時間…1時間30分
井上先生にしては短いなぁと思いました
舞台を拝見して解りました。上演時間が90分の理由
ほぼ三津五郎丈のひとり芝居なのでした。

ほぼ…というわけは黒子さんたちのお助けがあったから
三津五郎丈は芭蕉を演じ続け、
場面転換や、情景やらト書きやら…
状況を説明してくれたり、<蛙><お月様>を演じたり、
果ては<世間>といった漠然としたものまで
演じてくれていました
ひとを演ずることはなかった黒子さんたちの
控えめ…なれど場の空気を作る存在が、
舞台の深みにつながっていたのは確かですね

三十六句のテーマが字幕で浮かび、
最初の一句は「発句」として、
挨拶の気持ちを込めるのが何より大切と、
芭蕉としてではなく、三津五郎丈に戻ってご挨拶
この演出は、ファンには嬉しいところ
芭蕉が一人でいる時間を見せるという舞台の趣向を
三津五郎丈が説明してくれました

三十六景は
俳人となってからの芭蕉だけでなく、
19才の頃から始まります
俳諧の才能を見いだされ、俳人となり、
若い頃は太夫と遊んだり、
連歌師として句に点をつけて儲けたり、
その儲けを「少ない」と毒づいたり
というようなエピソードで見せていきます

ダジャレあり、井上先生らしいちょいとHなネタあり、
面白い場面もあれば、笑えない場面もあるこの舞台で
一番ビックリしたのは「雪隠」のシーン
(芭蕉は便秘だったらしいです
折りたたみ式の細長い机の片方の足を立て、
そこに三津五郎丈がまたがって
雪隠に見立てるのです。
しかもその雪隠があっという間に文机になったり、
奥の細道へ向かう時には旅装の背負子になったりするのです。
そのスピーディな小物(?)使いはさすが!と思いましたわ

松尾芭蕉という人間。
かなり悩んでいた。と井上先生は描いていましたね
私の中では、ちょっと偏屈な俳人
【奥の細道】に関しては隠密という謎もありまして、
ちょっと違う人間像を思い描いていたように思います

句を詠むときに、音の響きまで確認する芭蕉は
鬼気迫るものがあって、イメージ通りでしたけど、
およそ<宇宙意思>を感じながら悩み続けた人
という印象は持っていなかったので新鮮な人間像でした
「旅に病んで夢は枯れ野を駆け巡る」という句を詠んだときの芭蕉は、
ちょっと鬼気迫るものがありましたねぇ
でも、この句がラストではなく、
この芝居全体のタイトルでもある芭蕉を送る通夜舟がラストシーン。

この場面では、ずっと芭蕉を演じてきた三津五郎丈が
俳句好きの船頭を演じています

船頭が得々と語ったセリフによって
芭蕉が悩みながら説いた「軽み」も「滑稽」も「新しみ」も
彼の思いとは、まったく違う方向に理解されているという
現実を突きつけられる。。。。

かなりガツンとくる場面なのだけど、
この船頭の愚かさ・可愛らしさは
三津五郎丈だからこそ!のお役だったように思います


悩んだり苦しんだりしながら
おかしみを忘れない姿を演ずる三津五郎丈は
なかなか良うございました
しかし…いつもながら三津五郎丈が出演する舞台は
一筋縄ではいかないものばかりだなぁと思ったりして

この舞台で残った言葉
『クヌギは無用だから切り倒されることもなく大木になる。』

荘子の<無用の用>という名言から来ているセリフのようですね



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  1. 2012/12/04(火) 23:41:59
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