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jellyfishのひとりごと

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 テイキング サイド~ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日~ 】@天王洲アイル




1940年代ドイツ。
フルトヴェングラー(平幹二朗)は、
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の
常任指揮者として就任。
時を同じくして台頭したヒトラーに寵愛を受け、
ドイツ中の喝采を浴びていた。戦争が終わるまでは…

戦後、立場は一転、英雄から戦犯扱い、
そして裁判の檀上へ引きずり出される。
彼を取り調べることになった
アメリカの少佐アーノルド(筧 利夫)はナチが憎い。
ヒトラーが憎い。
フルトヴェングラーはナチ党員だったかもしれない、
と疑い始めたら怒りがエスカレートし、
どうにもおさまらない。

執拗なまでに審理を行い、
夫がユダヤ人ピアニストだったザックス夫人(小島 聖)や
ナチ党員だったことを隠すベルリン・フィルの
第2ヴァイオリン奏者ローデ(小林 隆)らが
参考人として証言を求められ、
フルトヴェングラーは次第に追い込まれてゆく。
たが、アーノルドのあまりの過剰さに、
秘書のシュトラウベ(福田沙紀)や
アシスタントのウィルズ中尉(鈴木亮平)は反発、
フルトヴェングラーの方に心を動かされてしまう。


テイキング サイド!! いったい君はどちらの味方なんだ!!!



自分の信じるもののために闘う人々を描く物語。


HPより抜粋


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ネタバレあり…の私的、辛口(?)感想です



筧利夫と平幹二朗の言葉による一騎打ち
見せる…聞かせる舞台でした

ヒトラーと書いてある時点で覚悟はしていました
でも、予想以上に難しい舞台でしたねぇ。
勉強(常識?)不足なのだと思うのですが…

セリフ劇なので、
咳でセリフが聞きとり難くならないようにと、
エントランスでは飴が配られていました
そこまで気を遣っている舞台なのに
休憩後の2幕ではケータイがなっていました
観劇中にケータイの電源を落としてなかった
その方は論外だと思うのだけど…
飴まで配って、観客に咳を我慢させるのであれば、
携帯電話抑止装置を置いても良かったのでは???
それを置いても…防御出来ない
マナー違反の観客のおしゃべりがありましたけど…

一幕目は時代背景や人物像など
予習が無いとなかなか難しい内容に思われました
(実はこのHPもチラシも読んでいませんでした
そんなワタシでも、ベルリン・フィルの…
国際的にも著名なマエストロ・フルトヴェングラーが
ナチの党員であったのか?という、
聞き取り調査であると言うことがわかってきました。
少佐アーノルドをサポートするはずの部下のウィルズ中尉も
秘書もフルトヴェングラーのファンで、崇拝しているので、
少佐は孤児奮闘するという図が見えてきます。

一幕目を見終わった時、
観客…少なくともワタシは、
ナチ党員であったかも?という過去よりも、
素晴らしい演奏を指揮する
フルトヴェングラーに感情移入してしまって、
少佐役が憎々しく思えてしまった
というのが、少佐・筧利夫が
マエストロ・平幹二朗に対してあまりに高飛車で、
芸術家としての尊厳まで傷付けているように
見えてしまったからかなぁ

ところが、幕間後の二幕目で、イメージが一変しました
開幕後、早々に、うたた寝する少佐の悪夢を
観客たちは覗き見することになるのです
アウシュビッツのやせ細ったユダヤ人と、
折り重なったおびただしい数の遺体。
その遺体をシャベルカーで穴に落とす様子。
焼かれたおびただしい数の遺体。
目を背けたくなるような映像。
…これは、実際に、そんなに遠くない過去に
行われていたことなのだと…ガツン
殴られたように、ワタシは感じました。

セリフの中で少佐が収容所の傍に住んでいて、
遺体が焼かれる臭いを嗅いで過ごし、
未だに悪夢に悩まされていることを観客たちは知る
…と、ひとなんて単純なもので、
フルトヴェングラー寄りだった感情が
少佐寄りに移ってしまった

その中でも一番印象に残ったエピソードは
何故、ヒトラーの誕生日にバースデー祝いの指揮をしたか?

フルトヴェングラーは断れないように仕組まれたと答える。
それに対して、少佐が本当の理由として語ったのは
ナチ党員のK(カラヤン)への嫉妬と
自らの立場を脅かす彼への恐怖。

フルトヴェングラーは
Kの若々しく新しい魅力に恐怖を感じていた。
ヒトラーの側近たちはKのファンで、
来るヒトラーの誕生日にKが指揮をすれば、
彼こそがナンバーワン、という証明になるであろう。
と、ヒトラーの側近のある人物は
フルトヴェングラーに囁く…
そして、さらに…
ヒトラー本人はフルトヴェングラーファンなのに。。。と。

この点においてもヒトラーのブレーンの人の動かし方
(弱みを利用して思うがままに動かす)に驚かされました

偉大なマエストロも聖人ではなく、
嫉妬や名誉力(?)に弱い人間で、
それを満足させるために、ヒトラーという
虎の威を借りたのでは?
という疑念を抱かせる事柄が続きます…

観劇後、内なるものを見てしまう、舞台でした。
間違っていると思う思想、
どんな環境においても、
信念に負けずに反対していけるのでしょうか?

ローデのように、大きな力に抗うことを諦め、
ナチ党員になるという決断をした者もいる。
その結果…(ある意味でナチのおかげで)
第二ヴァイオリンという栄光を手に入れるという、
大きなご褒美まで得ることが出来た
(優れた芸術家にはユダヤ人が多かったので、
  彼らが抜けたことで第二ヴァイオリンになれたそうだ。)
また、フルトヴェングラーのように、
自らの虚栄心を満たすため(弱点をつかれて)、
大きな力を利用する為に、あえてその力に飲み込まれる…。

自らに、その害が及ばない時、
ひとは、正しいと信ずることを
迷いなく、貫き通すことが出来るのでしょうか…
そこに、いろいろな要素が見えてくると…
難しい。。。。

そして、
時を経てから、それを判断する人間たちも、また
些細なことで、判断が揺らぐのです…。


作:ロナルド・ハーウッド

演出:行定 勲

出演者:筧 利夫  平幹二朗

    福田沙紀  小島 聖  小林 隆  鈴木亮平
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テーマ:舞台の感想 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2013/02/19(火) 23:38:18
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