Jellyfishの散財して…ぐだぐだ。

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 ロスト・イン・ヨンカーズ 】 25年12月@KAAT神奈川芸術劇場



昨年の12月に神奈川芸術劇場に行って参りました
前に行った時も、吹き抜けのロビーに
クリスマスツリーが置いてあった気がします



壁沿いに配されたエスカレーターに乗って、
劇場に昇っていく造りなんです。
何度来ても、空間を贅沢に使った劇場だなぁと思います




「ロスト・イン・ ヨンカーズ」(Lost in Yonkers)は、
アメリカの劇作家ニール・サイモン(Neil Simon)作で、
1991年にブロードウェイの
リチャード・ロジャース劇場
(Richard Rodgers Theatre)で初演された作品。
ニール・サイモンの戯曲は、1991年ピュリツァー賞を受賞。
舞台は、第45回トニー賞で作品賞の他、
マーセデス・ルール(Mercedes Ruehl)が主演女優賞、
ケビン・スペイシー(Kevin Spacey)が助演男優賞、
アイリーン・ワース(Irene Worth)が助演女優賞と、
4部門で受賞。
1993年にはマーサ・クーリッジ(Martha Coolidge)監督で
映画化もされています。
(邦題「ヨンカーズ物語」日本では劇場未公開)

この「ロスト・イン・ ヨンカーズ」が、
三谷幸喜の上演台本・演出で上演されます。

三谷幸喜は、学生時代に観たニール・サイモン作「おかしな二人」
(福田陽一郎演出)が劇作家人生のきっかけの一つとなった作品で、
これまでニール・サイモン作品の演出は封印していたそうですが、

今回パルコ劇場40周年というアニバーサリーイヤーで、
企画・上演へと至っています。


キャストは、一人の女性として
幸せをつかみたいと思い続けるヒロイン・ベラ役を中谷美紀。
地元のギャングから身を隠すために家に舞い戻った
ベラの兄弟ルイ役をTOKIOの松岡昌宏。
妻の死後、借金を返すために働き、
息子たち二人を祖母のもとに送らざるを得なくなる
ベラの兄弟エディ役に小林隆。
祖母の元に預けられるエディの息子ジェイとアーティ役を
浅利陽介と、本作ではオーディションにて選出された入江甚儀。
「結婚」によって厳格な母から逃れることに成功した
ベラの兄弟ガート役を長野里美。
そしてミセス・カーニッツ役は、
1992年の日本初演(青井陽治演出)でも同役を務めた草笛光子が、
80歳を目前にして再チャレンジします。
 

演劇ニュース より抜粋



本日も当日のメモとうろ覚えの記憶で
書かせていただきます







ジェイ(浅利陽介)とアーティ(入江甚儀)は
父・エディ(小林隆)の実家に来ていた。

エディは、亡くなった妻の治療費のために
全財産を吐き出し、さらに高利貸しから多額の借金を背負っている。
その返済を迫られたため、アメリカ南部に出稼ぎに行くことになり、
息子たちを母親ミセス・カーニッツ(草笛光子)に預かってもらおうと
ジョイたちを連れて来たのだ。

父は、祖母の機嫌を損なわないように、かなり気を配っていて、
その異常な緊張感を目の当たりにしたジョイたちは、
父が苦手な祖母に預けられることを嫌がっている。
今、この家に住んでいるのは、
ジェイたちの叔母にあたるベラ(中谷美紀)と祖母。

ベラは、父・エディの一番下の妹。
少々、頭が弱いので、実家に残っているのだが、
母から抑圧された家を出て、地元の映画館の案内係の男性と結婚し、
自分の家庭を持ちたいという夢を持っている。
「孫は預からない」と言い切った母親に、
ベラは、「甥っ子は預かるもの」と持論をまくしたて、
母親を押し切ってしまう。

ベラの活躍(?)で祖母の家に預けられることになったジェイとアーティ。
ある夜、ジェイたちの叔父にあたるルイ(松岡昌宏)
が、突然、家に舞い戻ってくる。
地元のギャングの金をくすねて、追われる身となり、逃げ帰ったのだ。
ジェイたちに、巧い世渡りを陽気に教授するが、
ルイも母親は、やはり苦手のようで、いまだに頭が上がらない。


さらに、結婚によって上手く実家を去ることが出来た
叔母のガート(長野里美)もやってくる。
彼女は厳しい母への緊張からか、
呼吸器系の病気に一年中悩まされている。


厳格な祖母に育てられた父と叔父、叔母たち。
それぞれに心の傷を抱えながら、
不器用ながらも、懸命に自分たちの生き方を模索している。

そんな姿をジェイとアーティという若い世代の視線で
描いていきます。

そして、祖母がここまで頑なになった理由も
明らかになります…。



演出の三谷幸喜氏が
あまりに好きすぎて封印していたというニール・サイモンの作品。
今回は、パルコ劇場40周年の記念ということで、
演出に挑戦したという舞台です。

この舞台で特に光っていたのは、
中谷美紀さんと草笛光子さんのお二方。
キーパーソンのお二人が光っていたのですから、
良い舞台だったんだなぁ~と思います
妙な言い方になってしまった
というのも、全体的には暗いストーリーなのですよね。
あらすじでわかると思いますが、
崩壊している家族の再生がテーマなんですもの…。
三谷幸喜氏の演出で、カラッと明るいところが多くて、
観た後には、どこか爽やかな気分になったのが、
不思議なくらいでした

中谷美紀さん演じるベラは、幼い頃の病気の影響か、
ちょっと、頭のネジがゆるんでるところがあるのだけど…
とにかく明るくて可愛いらしい、チャーミングな女性。
心は10代のままというベラは、始終ハイテンション。
人の話を全然聞いてなくて、高い声で、
勝手にしゃべり続けているのだけど…
それがキンキンと耳障りじゃない
これって、かなり重要ですよねぇ
役者は声って本当だわぁ。

草笛光子さん演ずる、厳格で、けっして笑わない祖母は
あまりに度が過ぎていて、逆に笑えてくる。
そして、この祖母は論理的に絶対に正しいのですよ。
でも、そこには愛情があるようには見えなくて、
家族としての絆は粉砕してますけどねぇ
彼女の中にある確固たる信念…揺るがない強さの理由が
最後に語られると彼女の抱えていた辛さや孤独が
見えてくるんですよねぇ。
草笛さんは美しく、凛としていて、
単なる意地悪ばあさんに見えないのは
流石だなぁと思いましたわぁ
 

ジェイとアーティの兄弟の視線は、いかにも現代っ子らしい。
厳格な祖母は一番苦手で、
ベラ叔母さんも、テンションが高過ぎて実はちょっと苦手。
キザなルイ叔父さんは好きだけど、ちょっと怖い。
結婚話がこじれて出て行ったベラおばさんの後にやってきた
ガート叔母さんもやっぱり苦手…。
たまに届く父親からの手紙を頼りに暮らしているが、
その手紙もなんだか心配になるような事ばかり書いてある。
八方ふさがりながら、空気を読んで、大人に気を遣って、
あまり深く関わらないように過ごしている
でも、結局、この家族のそれぞれの姿を見ているうちに
愛おしく見えてきて、参ったなぁ~といった感じ。


『お母さんは私たちが愛そうとしても
 決して愛されようとはしてくれなかった。
 エディ兄さんが弱くなったのも、
 ルイ兄さんがチンピラになったのも、
 ガート姉さんが上手く息が吸えないのも
 みんな、お母さんがそういう風に育てからだ。

 そして、私も、
 何よりも欲しかったぬくもりを与えられなかったから、
 いろいろな男たちに身を任せてきた。』

という(内容の)ベラの激白は言われた母親だけでなく、
見ている観客にとっても、ショッキングなセリフでしたねぇ。

そして、

「ドイツからアメリカへ移民し、2人の子どもを死なせてしまった。
 あの時に、私は心を捨てた。
 それは、子どもを死なせてしまった私への罰だから。
 
 何があっても、ひとりで生きていける人間に
 子どもたちを育てることが、私の責任だった。
 恨まれても、疎まれても、
 生き抜くことを教えるのが私の使命だと思って生きて来た』

というセリフは切なすぎます。。。


作:ニール・サイモン

上演台本・演出:三谷幸喜

出演:中谷美紀/松岡昌宏/小林隆/浅利陽介/入江甚儀/長野里美
   
   /草笛光子



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  1. 2014/04/16(水) 21:16:16
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