Jellyfishの散財して…ぐだぐだ。

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 怪誕 身毒丸 】 25年12月・吽形 @下北沢駅前劇場



昨年12月に下北沢の駅前にある
小さな劇場で拝見した舞台です
阿形と吽形というダブルキャストでの公演でした。
ワタシは加納幸和さんを拝見したかったので、
吽形の千秋楽を拝見しました

当日に配られたチラシには
先日、亡くなられた水下きよしさんの休演のお知らせが
書かれていました
あの特徴のあるお声がもう聴けないのかと思うと寂しいです
今はただ…ご冥福をお祈りいたします。


あらすじ/

インドの地、天上界に住む神々の最高位、シヴァ神の突然の死によって
次代の輪天聖王に、未亡人となったカーリー(黒色の女神)の実子、
インドラ(帝釈天)が選ばれる。
シヴァの第一子ではあるが、
人間の卑しい血をひく半神半人のシッダルタ(釈迦)に比べ、
第二子にして血統正しきインドラが王位に就くのは当然のことと
司法神ヴァルナ(水天)等、神々に異存はない。
しかし、インドラは病のため面相が崩れ、失明寸前。
しかも、なんと実母カーリーに求愛される。
だが、これには深いわけが隠されていた…。

なにも知らないインドラは嫁女ヤマ(閻魔天)と天上界を脱出する。
二人を追うカーリー、さらにそれを追うシッダルタ。
ついに四人はカーリーの里親、
爺ブラフマー(梵天)、婆サラスヴァティー(弁財天)の住まいで鉢合わせ。
そしてカーリーの企てが明かされる──。

チラシより抜粋






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ネタバレあり…の私的感想です



ワタシの中で、【身毒丸】と言えば、
十数年前に拝見した蜷川幸雄演出・白石加代子×藤原竜也の舞台
確か…こんな話だった…。

母を亡くした身毒丸があまりに、亡き母を慕うので、
父親は、<母を売る店>で 継母を買ってくる。
継母に反発する身毒丸。
妻としても、母としても報われぬ思いに悩む継母。
子どもから大人に成長していく身毒丸は
次第に女としての継母に惹かれていく…。
<母>を拒否する<息子>でありながら、
<女>としての継母を狂おしいほどに求めて…。

なんとも甘美で幻想的な場面が多い舞台だったように記憶しています。
これでも、どうも、今回のあらすじとは、合致しない
だから、ググってみました。
その中で見付けたのが、説教浄瑠璃の【しんとく丸】
そして、【しんとく丸】に基づいた物語が
歌舞伎の演目の【摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)】だと判りました
今度はウィキで調べてみましたら…ビンゴ
今回のこの舞台のベースは【摂州合邦辻】なんですね。
この演目、あんまり拝見したことないのです…。
というか全体のストーリーを把握していませんでした

義母のたくらみと盲目になってしまう息子…というところは共通なのですね
それにしても、何故、舞台がインドの神々の世界なのだろうと思ったのだけど、
説経節というのが、仏教を説いて、導く語りものだそうだから、
その辺の発想から、書かれた脚本なんでしょうかねぇ
ちなみに、怪誕も調べてみましたよ。
奇怪で、つかみどころのないこと。また、そのさま。でたらめ。
ですって。

とは言え、【摂州合邦辻 】の人間関係とはちょっと違っています。
当然ながら、もっと複雑になっております

【摂州合邦辻】は、玉手御前が息子・俊徳丸に
偽りの恋を仕掛け、彼に毒薬を飲ませて、
盲目にしてしまう…というなかなか刺激的なお話。
玉手御前の真意は、お家騒動からその息子の命を守るため
だったりするんですが…。

今回の【 怪誕身毒丸】ではカーリーが息子・インドラに
偽りの恋を仕掛ける……というところまでは一緒。
でも、俊徳丸は継子だけれど、インドラは実子だからねぇ
更に、カーリーと、継子シッダルタの義理の親子を越えた愛情やら
インドラの嫁ヤマとシッダルタの不倫と、
男女の愛憎が、かなり入り乱れて複雑になっております

このシッダルタがなかなかの色悪ぶり。
なんとも言えない孤独…寂しさをまとっているのだよねぇ。
母を慕う幼子のような雰囲気は身毒丸に近くて、
尚更、キャラの印象が交錯してしまった
シッダルタは王位を狙ってのことと言っていたけど、
どうも、義母カーリーへの抑えがたい愛情ゆえに、
父を殺し、弟の命を狙っていたように見えてなりませんでした

インドラの嫁ヤマはヤマで、また複雑
純真な夫インドラの前では、貞節な妻。
惚れた悪党シッダルタには、
道具のように使われながらも、シッダルタの本意を探り…
最後には、嫉妬にかられてシッダルタを刺してしまう。
インドラへの献身がまったくの嘘にも見えなくて、
嫉妬しているのは、実は、カーリーだったような。
母という愛情に満ちたモノ…母に固執する男というモノへの恨み(?)

拝見した吽形のカーリーは加納幸和さんでしたけど、
阿形のカーリーは谷山知宏さん。
原作の玉手御前は20歳前後で
継子の俊徳丸よりもひとつかふたつ年上ですが、
歌舞伎では30歳前後に変えて演じられることが多いようです。
このダブルキャストは、そういう二つの設定を
踏まえたものなのかなぁと思いました

加納さんのカーリーは <人ならぬ神> の神々しさを感じました。
神であろうとも、抑えられない様々な感情は、あふれ出てくる
やはり、加納さん素晴らしいデス
この舞台の初演は、15年前なんですよねぇ。
再演で、加筆されてはいるんでしょうけど、加納さんの脚本にも驚かされます

そして、今回、特筆すべきは、<ネオかぶき>の形式で
上演されたということでしょうか
小さな劇場に入っていくと、漂っていたのはお線香のかおり。
舞台には、シルバーの蓮の花がたくさんありました。
そして、舞台が始まって出てきた役者さんは、紋付袴姿でノーメイク
さらに、歌舞伎ベースの芝居に、ダンスが入っていたり、
ゲストが登場して、普通に歌うというオマケまで付いていて、
アングラ感がより際立って感じられました

完売するであろう舞台をあれだけ小さい小屋で
上演したのは、そういった意味合いもあったのかしらねぇ
次回はきらびやかな演出で、この舞台を拝見したいかも~

千秋楽でいただいてきた、蓮の花。
勝手に持って帰ったわけじゃないですよ~
ちゃんといただいたんです。念のため…。
家でどうしたものかと模索中



【吽 形】

母親カーリー:加納幸和
継子シッダルタ:丸川敬之
実子インドラ:秋葉陽司
嫁女ヤマ:美斉津恵友
爺ブラフマー:磯村智彦
婆サラスヴァティー:松原綾央
司法神ヴァルナ:北沢洋
ナーガ:桂 憲一
神々:大井靖彦 小林大介 堀越涼 谷山知宏


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  1. 2014/04/17(木) 19:58:25
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