Jellyfishの散財して…ぐだぐだ。

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 小林一茶 】 @紀伊國屋ホール 2015年4月

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この戯曲に登場する人物はすべて実在し、
この戯曲の扱う事件はなにによらず史実である。
(中略)
この事件を経てこそはじめて一茶は一茶になったのだと
作者は確信する。
                                           
                                 ー 井上ひさし ー


江戸の三大俳諧師の一人と称される夏目成美こと、
蔵前札差井筒屋八郎右衛門の寮から
四百八十両の大金が盗まれた。
容疑者は食い詰め者の俳諧師、小林一茶。

蔵前札差会所見廻同心見習いの五十嵐俊介は、
お吟味芝居を仕立て、自身が一茶を演じながら、
彼をよく知る元鳥越町の住人たちの証言をつなぎ合わせていく。
そこに浮かび上がってきたのは、俳諧を究めようともがき、
一人の女性を命懸けで奪い合った一茶と
宿敵・竹里の壮絶な生き様と事件の真相だった...。

江戸を代表する俳人として知られる小林一茶。
彼は信州柏原の農家に生まれ、
15歳の春に江戸へ奉公に出された。
奉公先を転々とする中で俳句と出会い、
溝口素丸や二六庵竹阿に師事し、
20歳を過ぎたころから俳諧師を目指すようになる。
彼は風流を愛でる当時の俳壇の中、
日常や小さな生命への慈愛に満ちた二万句もの俳句を残し、
65歳でその生涯を終えた。

平成の世にまで名を残した、
小林一茶とは一体どんな人物だったのか
作者が、彼を書くにあたって、年代記ではなく、
時間を事件のあった七日間に限定をしたのは
"この事件"こそが
彼の生き方を大きく変えたと確信したからである。
その舞台となる事件を彩るのが劇中劇。
迷句珍句の言葉遊びにドンデン返し。
一茶の半生をたどりながら、観客もろとも巻き込む
推理劇の要素を持ち合わせた井上ひさしの秀逸評伝劇。

こまつ座初登場、映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍中の
今、もっとも旬な俳優和田正人を一茶、
ミュージカルだけでなくストレートプレイでも
高い評価を得ている石井一孝をライバルの竹里に迎え、
多彩なキャストでお送りいたします新生『小林一茶』。
俊才・鵜山仁の新演出で、今幕があく。

HPより抜粋


先日、どんどん新しくなっていく新宿で拝見した舞台です

「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」

「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」

一茶といえば、
力の弱い小さい者への愛情を表したものが多い気がします。

でも、過去の井上先生のこの手の舞台では
その人物の今迄のイメージを壊されることが多いので
きっと、違う一茶を知る事のなるであろうと
愉しみに劇場に向かったのでした



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ネタバレあり…の辛口(?)私的感想です

出演

和田正人 / 石井一孝

久保酎吉 / 石田圭祐 / 小嶋尚樹 / 大原康裕 / 小椋毅

植田真介 / 川辺邦弘 / 松角洋平 / 一色洋平 / 荘田由紀


スタッフ

作: 井上ひさし / 演出: 鵜山仁




紀伊國屋ホール。相変わらず良い雰囲気の劇場です 
開演前、原稿用紙風の幕に目がいきました。
日記のような…覚え書きのような…モノが書かれていて、
最後に小林一茶の名前が書いてありました
少し黄ばんだような色合いがこの劇場に合っている…(笑)
冷静に考えれば、原稿用紙は江戸時代にはないハズですね…
原稿用紙もどきの幕に、うっすらと定式幕の色合いが映し出されて、
その幕の向こうで動いている人影が浮かび上がり、開演。
何故…定式幕と思ったら、この舞台は劇中劇で
展開されていく舞台だったのです

最初の幕は一茶と竹里の出会いの場面なんですけど、
なんとなく違和感が残りました…
その違和感の理由が、次の幕で判明しましたぁ
この場所が自身番で、劇中劇だったんです。

劇中劇は、蔵前札差井筒屋八郎右衛門の寮から
四百八十両の大金を盗んだのは
食い詰め者の俳諧師、小林一茶なのか
という容疑を、吟味するための吟味芝居だったのでした。
なるほど、小道具や大道具がおかしいハズだと納得

小林一茶がお金を盗んだという証拠はなく、
本人は容疑は否認している
今で言うところの状況証拠を固めるために、
自身番に集った人々は、
それぞれが知っている一茶の話を語り始め、
芝居仕立てにしようということになり、
新米の同心が一茶を演じ、
たまたま食い逃げで捕まり自身番に連れて来られた男
(実は竹里本人であることが、後に観客には分かる)が
ライバル竹里を演じて、二人の若い俳諧師の人生を
振り返る吟味芝居が始まる…。

こういった設定で、観客はこの吟味芝居の観客にもなって、
推理劇に巻き込まれていくのです

最後の最後に、
人間の怖さに頭を殴られた感じになりましたけど、 
井上ひさし先生の脚本はやっぱり、楽しいよなぁ~
ブラックなところや、キワドイ場面もいつも通り。
3時間とやや長めの舞台ですが、
あっという間だったわぁと思ったのでした
と、舞台の感想を早々と書いたのは
最後にネタバレを書こうとしているからです

劇中劇で語られる小林一茶は、
ワタシたちが国語の教科書で習った俳句のイメージとは、
かけ離れた一茶の姿でした~~
自分勝手で、とにかく出世欲が強い。
献身的に尽くしてくれて、妻となるハズだったおよねを、
竹里を出し抜く為に、竹里にあてがった
あてがったって、人として酷すぎる
この後も、2人の俳諧を通した争いは続き、
出世を賭けて、足を引っ張り合う。
今、思い返してみると、最初のこの一件以外は、
竹里が一方的に一茶の足を引っ張ていたような気がするわ。

あてがった()翌朝、
一応、一茶はおよねに「すまない」と謝まり、
およねの方も受け入れたように見えたけど、後日、川に身を投げる。
裏切られた思いよりも、俳諧には勝てないということを
悲観していたように見えたなぁ。
竹里も相当ヒドイけど、川に身を投げたおよねのことを
何年も引きずっていたところは、
一茶よりは少しはマシかもしれませんねぇ~

実のところ、およねは生きていて、
その後も、一茶、竹里、およねの妙な三角関係は続いて行く…。
およねは本当に情が深くて…純な女なんですよねぇ
いいおんなです。
この劇中劇のおよねを演じていた荘田由紀さんの
婀娜っぽさが良かったんですよねぇ
ちょっとジトッとした艶と、純粋なところ…。
この方の存在感が無くては、成立しない三角関係デス

竹里を演じた石井一孝さん。膨大なセリフでお疲れ様です
声の良さが印象的でしたわぁ
「一茶の才能を最初に見出したのは自分だ
と、いう自負を持ち続け、一茶の出世の邪魔をし続けたけれど、
結局は一茶の一番の理解者だったのだなぁ。
と、小狡い竹里も弱い人間なんだなぁと思えてきました
「発句だけを作ればいい」なるほど。
和歌は、連歌が基本だったという事事態を忘れていました。
ワタシ達が知っている一茶の俳句はこの言葉によって
詠まれたのですねぇ~


和田正人さん。
舞台で拝見するのは多分初めて…
彼が劇中劇で演じる一茶は、
俳諧に異常に執着している男で、
およねに限らず、情のない行動を取るんだけど、
一茶に深くかかわったひと達には、心底は憎まれていない
俳諧以外はてんでダメ…という不器用なおとこの愛嬌なのかしら。

ここからはネタバレになるので、少し開けますね。















でも、この劇中劇を演じている「座」のメンバーには
疎んじられているのよねぇ。
一茶を容疑者にした理由が、
食い詰めた俳諧師なんて、誰からも嫌われているんだし、
別にいいよね~~って事。
えぇぇぇ~~~~
そもそも、480両盗難事件などはなかったって。。。
怖ぇぇぇぇ~~~。怖過ぎる。
冤罪どころじゃない。事件さえないんだから。
ここに生きている市井の人の方が
一茶の何倍もずる賢く、強かだ…。

この舞台を見た後に浮かんだのは

『赤信号、みんなで渡ればこわくない…』

薄っぺらくて、申し訳ない



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テーマ:舞台の感想 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2015/06/03(水) 21:59:49
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