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舞台【東海道四谷怪談】@国立劇場 平成27年12月

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文化・文政期(1804~30)の
江戸歌舞伎を代表する作者・四世鶴屋南北の作品は、
市井の人物や風俗のリアルな描写と、
舞台の仕掛けにおける奇抜な趣向で、
当時の観客を魅了しました。
その最高傑作が『東海道四谷怪談』です。

本作が文政八年(1825)七月江戸・中村屋で初演された時、
屈指の名作『仮名手本忠臣蔵』との併演でした。
両作品の場面を半分ずつ分けて交互に上演し、
二日掛かりで全場面を通して見せました。

本作では、『忠臣蔵』の世界が物語の背景になっています。
塩谷判官の高師直への刃傷事件で塩谷家が断絶となり、
浪々の身となった家臣たち、彼らと周囲の人々の運命が、
哀れに切なく、残酷に恐ろしく、描かれています。
今回は、普段上演されない《小汐田又之丞隠れ家》を取り上げるなど、
物語の背景が鮮明になるような台本や演出を工夫します。


塩谷の浪人・民谷伊右衛門は、女房お岩の父・四谷左門に
御用金横領の旧悪を知られ、左門を殺害します。
お岩は父殺しの真相を知らず、伊右衛門と暮らし続けます。
同じ浪人の佐藤与茂七は、小間物屋に変装し、
高家への討ち入りの機会を窺っていました。
以前は中間だった直助は、与茂七の許嫁お袖に横恋慕して、
邪魔な与茂七の殺害を図りますが…。

お岩は、息子を産んだ後の肥立ちが悪く、
高家の家臣で隣家の
伊藤喜兵衛から届けられた薬を飲みますが、突然苦しみます。
喜兵衛は、毒薬でお岩の顔を醜くして伊右衛門と離縁させ、
伊右衛門を孫の娘のお梅の婿に迎えようと、企んだのでした。
真相を知ったお岩は、伊右衛門と伊藤家を恨んで息絶えます。
やがて、お岩の怨霊が…。

足腰が立たない難病で苦しむ塩谷の浪人・小汐田又之丞。
以前は家来だった小仏小平は、旧主の病気を治したい一心で、
民谷家の秘薬・ソウキセイを盗み、伊右衛門に捕らえられます。
伊右衛門は、情死に見せかけるため、小平を殺害し、
お岩と小平の死骸を戸板に打ち付けて川に流します。
又之丞を助けたい小平は亡霊となって…。


伊右衛門の魅力的な色悪ぶり、
哀れな女心と恐ろしい執念を表現したお岩の<髪梳き>、
<戸板返し>のお岩・小平に与茂七を加えた三役早替り、
お岩と小平の亡霊が登場する様々な仕掛けなど、
巧みで効果的な演出が随所に盛り込まれ、
物語の面白さを増幅させています。

幸四郎が二十三年ぶりの伊右衛門に、
染五郎がお岩・小平・与茂七の三役に挑みます。
本年の掉尾を飾る注目の舞台にご期待ください。

HPより抜粋


幸四郎丈の伊右衛門に加え、
数年前、伊右衛門を拝見したばかりの染五郎丈が
お岩を演ずるというのですから楽しみです。
去年亡くなられた小山三丈が、
『私が全部教えるから、
生きているうちに早く染五郎さんのお岩さんやってよ』
と言い残していたことも後押しとなったそうですね。
中村屋のふたりもそうですが、若い役者さんたちが、
ひとつひとつ、確実にこなしていっているのですねぇ。頼もしいです。


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私的辛口(?)感想はこちらをクリック

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四世鶴屋南北=作
通し狂言東海道四谷怪談 (とうかいどうよつやかいだん) 三幕十一場
        国立劇場美術係=美術


発  端          鎌倉足利館門前の場


序  幕   第一場  浅草観世音額堂の場


        第二場  浅草田圃地蔵前の場


        第三場  同  裏田圃の場 


二幕目    第一場  雑司ヶ谷四谷町民谷伊右衛門浪宅の場


       第二場  同         伊藤喜兵衛宅の場


         第三場  元の伊右衛門浪宅の場


大  詰   第一場  本所砂村隠亡堀の場


         第二場  深川寺町小汐田又之丞隠れ家の場


         第三場  本所蛇山庵室の場


         第四場  鎌倉高師直館夜討の場





(出演)
         松 本 幸四郎
         中 村 錦之助
         市 川 染五郎
         市 川 高麗蔵
         中 村 松  江
         市 村 竹  松
         坂 東 新  悟
         大 谷 廣太郎
         中 村 米  吉
         中 村 隼  人
         片 岡 松之助
         澤 村 宗之助
         松 本 錦  吾
         大 谷 桂  三
         片 岡 亀  蔵
         市 村 萬次郎
         坂 東 彌十郎
         大 谷 友右衛門

       ほか



【四谷怪談】と言えば、夏の定番ですけど、雪が降る【四谷怪談】は
また違う面白さがありました。
背景にある【忠臣蔵】を同時進行で上演することによって
単なる怪談や、怨霊の話ではなく、ひとの哀れをより感ずる舞台
仕上がっていました。

【四谷怪談】の民谷伊右衛門は、
浅野内匠頭をモデルにした塩冶判官家の浪人。
伊右衛門は、忠臣であるハズの赤穂の武士なのに、情けのない冷たい男。
同じ浪人なのに、こんなにも違うんかい!と江戸時代のひとたちは
ツッコんでいたでしょうねぇ。
その同じ感覚を感ずる事が出来たように思いますわ。

【四谷怪談】の幕が上がったら、いきなり【忠臣蔵】。
《足利館門前》で、松の廊下の刃傷事件発生時の塩谷家の武士の姿を見せ、
大詰では、討ち入りの場面【高師直館夜討】を
見せてもらえたので、
忠臣蔵も見た気分になり、お得感もありましたわ。
ずっと力のお役だった染五郎丈が、由良之助ですから、
ワタシたちも歳をとるわけです…(~_~;)
いきなり忠臣蔵を上演した理由を作者・鶴屋南北に扮した
染五郎丈が説明してくれました。
ここの生放送(?)感は染五郎丈の拘りでしょうか?
本来の形の【四谷怪談】を新しい感性で作りたい!という
染五郎丈の思いを舞台化する為に幸四郎丈がお知恵を貸したのでしょうかね。

普段は上演されない【小汐田又之丞隠れ家】で、
難病になった塩冶浪人の困窮した生活を見せてもらいました。
この場があるおかげで、小平の『薬くだせぇ~』が
より哀れに、切迫して感じられました。
今まで上演されたのを観ていませんでしたけど、
この場面は必要なように思いますわねぇ。

幸四郎丈の伊右衛門は23年ぶりなんですねぇ。
お梅との年の差…失礼ながら、息子よりも孫に近い(?)
とは思えない艶っぽさでした。

数年前に拝見した菊之助×染五郎の【忠臣蔵】の時とは、
お岩の衣装の色など、一段と凝った仕掛けになっていたように思います。

ワタシは髪梳きの場でお岩の怖さを一番感ずるのですが、
今回の染五郎丈のお岩は、勘三郎丈のお岩同様に
情念と、妻としてのプライドを感じました。
身だしなみを丁寧に整えていく手順の美しさは、
まだまだでしたけど…。

あと、今まで気になっていたところも改善(?)されていました。
伊右衛門の非情さを表している場面のひとつ、
赤ちゃんのために吊っていた蚊帳を質種に持って行ってしまう…。
この時に、蚊帳にすがりつくお岩を振り払って、
伊右衛門は蚊帳を持っていくのですけど、
毎回、この場面で笑いが起きてしまう。
何故なら、蚊帳にすがりついたお岩ごと伊右衛門が引っ張るので、
お笑いの一場面みたいになってしまうのです。
今回の染・お岩は引きずられず、足を小さく運んでいました。
そのせいか、笑いは起こっていませんでした。
怪談で、非情さを表す場面で笑いなんて!と思っていたので
スゴく良かったと思いましたわ。

凝り性の染五郎丈ですから、再演の際は更に改善するでしょうね。
再演も楽しみにしたい舞台です。




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  1. 2016/02/15(月) 22:31:38
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