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jellyfishのひとりごと

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 【 花組ヌーベル第2回 盟三五大切 】


20090609115424


ヌーベル [(フランス) nouvelle]

(1)「新しい」「新傾向の」の意。外来語に付いて複合語を作る。
「―-クリティック」
(2)フランスで、コントとロマンの中間に位置するもの。中編小説。

提供元:「大辞林 第二版」

歌舞伎を新しいかたちで演じるのか、
コントとロマンの間の舞台なのか…。
その両方を目指しているのかな

ちなみに【盟三五大切】は
≪かみかけてさんごたいせつ≫と読みます。

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ネタバレありの…私的辛口()感想です
 

お岩さんで有名な【東海道四谷怪談】も
【忠臣蔵】の後日談というか、外伝的に書かれています
三五郎夫婦が隠れすむ長屋には、
以前、伊右衛門が住んでいたので、
お岩の幽霊が出るという噂があり、
店子が次々出て行くというというくだりなど、
人気のお芝居を取り入れた舞台は
初演当時の観客は大喜びしたことでしょうねぇ

浪人・薩摩源五兵衛は、芸者・小万に入れあげて、
その日暮らしの金にも困っており、家財道具まで売り払う始末。
源五兵衛は今は名を変えているが、
実は赤穂浪士の一人の不破数右衛門。
亡君の仇討ちに加わるために、
自分が警護していて盗まれた御用金を
弁償しなければならない。
見かねた叔父の助右衛門は『必ず、仇討ちに加わるように』と
百両を源五兵衛に渡す。

一方、芸者の小万には、実は三五郎という船頭の夫がおり、
小万は三五郎にぞっこんで、
三五郎に言われるまま芸者になるほどであった。
その三五郎は若い頃の放埓によって、勘当の身であった。
父親が元の主人のためにつくろうとしてる百両の金を渡して、
勘当を解いてもらおうという腹。
そこで、小万に入れ揚げている源五兵衛から
百両を搾り取れと、小万にたき付ける。

さすがに渋っていた小万だが、
結局は三五郎とひと芝居組んで、
まんまと源五兵衛から百両を巻き上げる。
仇討ちに必要な百両を騙し取られたと知った
源五兵衛は殺人鬼となって、三五郎たちが住む家に忍び入る。
仲間の5人を斬り殺すが、
三五郎と小万は取り逃がしてしまう…。

そして、この百両がそれぞれの人間関係を浮き彫りにします。



なんとしても、赤穂浪士の義士として仇討ちに加わりたい
という話は【 仮名手本忠臣蔵 】にも、たくさんありますけど、
【 仇討ち 】 っていう目的の為なら、なんでもあり
大きなのためなら、小さな悪は許される。
主人の為なら、命さえも投げ出す。
というのは、今では理解し難い心理ですよねぇ

それほどに思う仇討ちの為の百両を、小万に渡してしまうあたり、
相当な惚れ込みようだし、人の良さもわかります
でも、だまされた恥辱をはらそうとすると、一転、
三五郎の家に忍び込み、五人を斬り殺したあたりから
凄味を増していき、三五郎夫婦が隠れすむ長屋を訪ねた時の
礼儀正しく武士らしい振る舞いは、
ぴ~んとした狂気が冷え冷えとした気を発散していて
背筋がぞぅ~っとするところです
さらに、深夜に再度、三五郎不在の長屋に忍び込み、
小万をじわじわとなぶり殺し、小万の子供をその手で殺させた
源五兵衛には、すさまじいまでの憎悪を感じます。

でも、その後、源五兵衛は小万の首を切り落とし、
住まいに持ち帰り、小万の首の前でご飯を食べます。
本来なら残虐でエグい場面ですが、
『本当はこうしたかった』と小万に話しかけているのを見ると、
小万を心底愛していたからこその狂気なのだなぁ
と、恐ろしいながらも理解できるような…。
でも、恐いけど

一方、三五郎はたいした罪悪感もなく
源五兵衛をだまして金をとる小悪党じみた
調子の良さが目立ちます
でも、こちらも小万の兄を手に掛けてしまってから
(実は源五兵衛の仇討ちになっていたんだけど)
腹が決まり、大詰めでの切腹までの
急転直下の心もちの変化が激しいです

深川芸者らしく男気があるけど艶っぽい小万。
その小万が惚れこむのが分かるような良い男が三五郎。
人が好く、やや心もとないような武士、源五兵衛。
ストーリーを動かす、大きなキャラはこんな感じ
歌舞伎では長時間で演じる狂言を2時間弱に収める。
これは、花組でよく演っていることですが…。
今回のヌーベル(歌舞伎)では、
衣装なしメイクなし ほぼ道具なし
人がたくさん亡くなるので…ということで、
舞台には祭壇、鯨幕、何隻かの屏風、
通夜ぶるまいのテーブルや酒まで用意してあります。
祭壇横のTV画面には、以前やった四谷怪談の映像が
流れていたように見えました

それらの小道具をはけたり、新たな小道具を加えたりだけで、
場面展開をしていきます。
出演者は8名なので、たいていの方は2~3役こなします。
女形さんも含め、全員、喪服(黒のスーツ)姿。
(第1回は全員、浴衣だったそうです)
場合によっては髭面の女形なんて、場面も…。

義・悪・艶・愛・憎がドロドロとした狂言ですが、
今のワタシ達から見ると、理解出来ないことも多いし、
もうちょっと、なんとかなりそうなんじゃない
と思うようなところが沢山あります。
舞台だとのめり込んでしまいがちですが、
衣装などをつけないことで、より俯瞰で見られる自分がいました
ただ、語り劇ではないわけですから、
男女の愛憎の部分など違和感があったのは確かですし、
相当な演技力があってこその内容だと思う。
正直、演劇としてはどうなのかなぁ
と、思うけど。でも、面白い視点だと思う。

本来、かぶいていたハズの歌舞伎は
古典として崇められてしまい、
身動き出来ない部分もあるでしょう。
歌舞伎でもいろんな試みはされていますが、
否定的な方々もいらっしゃいますからねぇ
確かに型が出来てこその型破りであって、
基礎が出来ていない歌舞伎はやっぱり変だしなぁ
そういう意味で、花組芝居での試みは面白いのでは

個人的に、残念だったのは事前に
『電脳版 花組通信』をチェックせずに行ったこと。
この日の座内日替わりゲストの原川さんが
開場時間の10分後から、落語を披露してくれていました
狭い劇場に長く居たくなかったので、
わりとギリギリに行ったので、最後しか聞けませんでした。
でも…落語が長引いて、本編がおしていたらしいので、
結構、聞けたのかしらん


●原作:四世 鶴屋南北
●脚本・演出:加納幸和
●出演:加納幸和 山下禎啓 北沢洋  松原綾央
     小林大介 美斉津恵友 谷山知宏 丸川敬之

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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2009/06/11(木) 22:12:41
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