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jellyfishのひとりごと

観て、食べて、試して…重箱のスミをつついて(?)感想をつぶやいております♪

舞台 現代能楽集 【 鵺 】


20090708233118


キメラという言葉を最初に聞いたのは、
ワタシが好きな2時間サスペンスだったかなぁ。
医学者から『キメラ』と呼ばれる体質(?)の人が
犯罪に巻き込まれた。というストーリーだったと思う
自分とは違う血液型の骨髄移植を受けた人は
2種類の血液型をもつため、キメラと呼ばれている。
ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つ
ギリシャ神話の伝説の生物、キマイラからきているそうです。
何種類かの遺伝子の特徴をもつ、1個体
有名なのはスフィンクス、麒麟、そして…鵺でしょうか。
『鵺の鳴く夜は恐ろしい』という横溝正史の【悪霊島】で有名ですねぇ。
サルの頭、タヌキの胴体、トラの手足、口縄(ヘビ)の尾をもつ
という、得体のしれない怪物といわれています…。
が、本当はトラツグミという鳥のことなのです。
夜の闇に響く声が不気味なことから、
怪物とされてしまったようですよ…なんか可哀想だねぇ

そんな<鵺>の舞台を拝見しに行って参りました


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ネタバレあり…の私的(辛口)感想です
 
源平の戦乱の頃。
源氏と平家が河を挟んでにらみ合う深夜の川岸で、
三人の武将が、遠くに聞こえる不気味な音に
耳をすませていた。
その中には、
かつて帝の御所に夜毎出没する怪物・鵺を射抜いた
弓の名手・源頼政が居た。
不気味に響く声は徐々に大きくなる。
そして、大きな不気味な影が見えたかと思うと、
この川岸へと頼政らを導いてきた武将が消え、
不可思議な舟を操る女と共に再び現れた。
驚く頼政らに、武将姿の男とその女は、
わたしたちはかつてあなた(頼政)に撃たれた
トラツグミのつがいだったと告げる。

『地位を極めた帝の心の闇が、
 単なるトラツグミの鳴き声を鵺という怪物の声と恐れさせた。
 撃たれた我らは、身体をバラバラに切り裂かれ、
 うつぼ舟で河に流されるうち、本当の怪物になってしまった。』

と、恨みをぶつけられた頼政は女を矢で射抜こうとするが、
女と武将姿に化けた、鵺のつがいはどこかに消えてしまう。
呆然とする頼政らの前に再びあらわれた武将姿の鵺は
頼政の悲惨な最期を物語り、

『鵺はひとの心の闇が作り出す怪物
 時も場所も選ばず、何度もあらわれる。』 
という言葉を残し、闇へと消える…。 



実は能楽の【鵺】を拝見していないので、
ハッキリ言って、ベースにしているのかもわからんのです
でも、コクーン歌舞伎の【桜姫】はまわりまわって(
ベースを知らない方が逆に良いのかも…と思ったので、
今回は見てなくて良し!ということで
たぶん、この後の3つの話に出て来る鵺は
それぞれのこころに巣食う闇が作り出す怪物ってことで
理解しております。

現代の日本のどこかの川岸にあらわれるのは
捨てられた女たちの憎悪と哀しみの化身の女性。
『ワタシの顔はあなたが作り出す顔』っというセリフにゾクッとした
酷い仕打ちをしたあの女かそれとも、あちらの女かって、
この男ダメじゃんねぇ
でも、心の闇が鵺を作り出したのだとすると、
人を愛せない自分に気付いていたのかなぁ

次の時代は戦後間もない日本。
歩きつかれた軍服姿の男は地元の男の注意も聞かず、
うつぼ舟の塚のある川岸で一夜を過ごし、
自らのこころに巣食う鵺と対面するんだけど。
ちょいと分かり難かったかなぁ
戦前・戦後に日本兵が犯した罪の懺悔かな。

最後はアジアの某国。
現地で行方不明になった夫、夫を探しにやってきた妻
その妻を愛している夫の会社の海外赴任社員、
夫探しに手を貸す現地の青年の4人の関係が
複雑に絡み合っていて、物語的には面白いと思ったんだけど…
人身売買や臓器売買なんて話も出て来て、
どちらかというと鵺より、キメラじゃないかい
前の場の台詞で、キメラやスフィンクスについて
やたら触れていたのは、序章だったかな
それと、劇中のパペットショウって必要あったのかなぁ
川岸に落ちている石にそれぞれ顔がうっすら書いてあって、
気持ち悪い顔もあったけど、わりと滑稽顔で
その辺の意図もよくわからんかった

鵺が4つの動物から出来ているので、
4人の俳優が演じている舞台なんだと思うのですが…。
人数が少ないとひとりひとりの力量が大切
んで、特に一番お若い役者さんには
相当なプレッシャーだったのかなぁと思うけど、
導入部の武将の時がまったくダメでした。
時代の背景や人々の噂話など
彼のセリフが説明的なもので、長台詞だったとしても…
活舌が悪くて、まったく聞き取れない
最後のアジアの青年役がスゴク良かっただけに、
残念だったなぁ
【冬物語】で透明感が際立っていてビックリさせられた
田中裕子さんは、今回は巫女的な雰囲気と、
童女の顔なのか売春婦の顔なのか…どうにも恐い。
良い意味で、この世のものとは思えませんでした
現代劇だと、どこか浮世離れした感じのお役が多い三津五郎さんは
上司妻への恋慕を、やけにリアルに演じてました
今回、惹かれたのはたかお鷹さん
いつもは軽いノリで舞台を膨らましてくれる方ですが、
深い演技で惹き付けられました

この舞台で描かれたのは、
男たちのこころの闇が作り出した怪物…鵺。
おんなは鵺を作り出さないのか
そんなハズは無く、むしろおんなはこころに
もともと鵺を飼っちゃっているようなとこある。
いつ鵺が顔を出すかわかりませんことよ。

『幽霊の正体見たり枯尾花』
芭蕉ってスゴイな。

今回もパンフを買ってないので、
解釈やストーリーに間違いがあるかもしれませんが、
ご容赦くださいませぇ~

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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2009/07/09(木) 22:31:22
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